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(1)事案の概要
Tさんは、大学卒業後、U市の採用試験に合格し、新規採用されました。6か月間の条件付き採用期間中、メンターによる指導を受けましたが、メンターに対し苦手意識を持ち意思疎通がうまくいかない状況下で、窓口・電話対応の不備、誤字脱字、遅刻等の問題を指摘され、改善も見込めないとして、令和2年9月30日付で分限免職となりました。
Tさんは、これを不服として、令和2年12月16日、園田昭人弁護士らを代理人として、熊本地方裁判所に対して分限免職処分の取消訴訟を提起しました。
(2)争点
- 分限免職事由に該当する事由の有無
U市が指摘する分限免職事由に該当する事実が存在するかどうか
- 裁量権の行使の誤りの有無
分限免職処分が合理性を有するものとして許容される限度を超えた不当なものであるかどうか
(3)判決
令和5年3月24日、熊本地方裁判所は、①U市が指摘する分限免職事由の一部に誤りがあること、②Tさんには改善意欲があり改善の可能性があること、③メンターの指導に問題があったこと、④指導方法の変更やTさんの異動を検討していなかったこと、⑤評価者の恣意が入りすぎていて人事評価が厳しすぎたこと等の理由で、分限免職処分を取り消し、Tさんを勝訴させる判決を言い渡しました。